肩甲骨は忙しい #106

立体的な動き

 

関節はその形状によってほとんど動かなかったり、多方向に動いたり、限定された方向に動いたり、様々です。

 

その中で、肩甲骨(肩甲胸郭関節)は多方向に動けて肋骨の上を移動するので、前方外側にも動いたり、空間上の位置関係が平面ではなく立体的に動きます。

 

動きとしては、

 

挙上、下制、外転、内転、上方回旋、下方回旋、前傾、後傾、外旋、内旋、

 

の動きがあります。

 

なので、肩甲骨には腕、首、背中、胸からたくさんの筋肉が付着して多方向に動けるようになっています。

 

腕にマンマーク

 

これらが組み合わさりながら、肩(腕)の動きに合わせて肩甲骨は動いていくのですが、

肩関節は関節の中で最大の可動域を持っていますので、ついていくのは大変です。

 

肩甲骨の関節面を上腕骨の中心軸に向け続けておかないと、肩関節構造の破綻に繋がりますので、

ガンガン動き回る腕に肩甲骨がマンマークでついていくには、肩甲骨も相当に動けないといけません。

 

その為には、肩甲骨に付着している全ての筋肉の柔軟性が高い状態を保たなくては上手くいきません。

 

ストレッチでもエクササイズでも、上記の関節運動方向全て最大可動域で動かすように日頃からケアをしておかないと、腕に置いていかれます。

 

 

動かして固定する

 

肩甲骨というのは、ラグビーのフォワードみたいな感じで、ボール(腕)についていって相手にボールを奪われないようにラックやモールでフォローしておかないと、自分達の思ったような試合運びが出来ません。

 

肩甲骨も腕についていって、腕が力を使う時に肩関節を安定させられる筋肉達の機能が働きやすいポジションに移動しておかないと、腕が上手く働かないし、それを繰り返すと肩のケガに繋がります。

 

なので、肩甲骨は動いてポジション取りをして、腕が力を出す時にはその位置が動かないように固定しておかないと、

腕の働きが悪くなるので、投げたり、打ったり、運動がしづらくなるし、物を取ったり、書いたり、手の作業も正確性を欠いてしまいます。

 

その結果、首や肩の負担が増して障害が起こるかも知れません。

 

肩甲骨は忙しい大変な役割を負っていますが、しっかり働いてもらう為にも、

日々のケアを怠らずに行う事が大事ですね。

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