腹筋運動をするから体幹力が付くわけではない #113

体幹が強いとは?

 

「体幹が弱くて」

 

「腹筋が出来ないんです」

 

このお悩みを聞く事が良くあるのですが、体幹の強さというのを説明が出来る方は少なく、曖昧にされている場合が多いのではないでしょうか?

 

ここの定義がはっきりしないと鍛えようのないものになります。

 

木島が考える体幹は、

 

外力が加わったり不安定な接地面であっても姿勢を保ち続ける能力。

 

としているので、

 

筋力、空間認知能力、モビリティ、スタビリティ、

を鍛えます。

 

特に、水平面、前額面上の制御を中心に行います。

 

要は、姿勢維持能力なので、全身のコーディネーションが求められます。

 

ですから、定義(木島の定義)に照らし合わせると、

体幹が弱いから上体起こしなどの腹筋運動が出来る出来ないは別物。

と捉えています。

 

サッカーの試合で活躍できるのと、リフティングが上手いのは別物というのと同じです。

(総合的な能力と部分的な能力との違い)

 

腹筋を割りたいなら腹筋トレーニングをガンガンする必要があるので、腹筋トレーニングは必須でしょう。

 

でも体幹力を高めるなら、それだけでは不十分だし、不必要の場合もあります。

 

特異性の原理

 

トレーニングの原理には、

特異性の原理がありますが、

これは、特定の運動を行えば、その運動に関わる範囲の能力が鍛えられる。

 

このような意味ですが、

 

例えば、

胸の筋肉を付けたかったら胸のトレーニングをするのが正解で、脚のトレーニングをしても胸に筋肉は付かない。

 

と言う事だったり、

 

サッカーが上手くなりたかったらサッカーの練習をする。野球の練習をしてしまったらサッカーは上手くならない。

 

これが、特異性の原理です。

 

となると、体幹を鍛えるには腹筋運動だけでは全身のバランス力が鍛えられない為不十分なので、

バランスを保つ為の他の筋肉を鍛えたり、姿勢を保ちやすくする為のモビリティを高めたり、力の入れ具合を適切にする為の協調性を向上させたりしていきます。

 

 

多関節運動で協調させる

 

ですが、それらを単体で鍛えても思ったような体幹力は付きません。

 

日常動作や各種運動時に「使える」能力にしないと、体幹力を実感しないはずです。

 

その為には、トレーニングでは、スクワットなどの重心移動を伴う多関節運動を行っていくと、

必要な筋肉が適切なタイミングで適度な筋力を発揮して、バランスを取りながら姿勢を保ってくれます。

 

ただスクワットをすれば良いわけではなく、

足裏の荷重点を変えないように意識しながら行うと、身体が自然と協調してスムーズに動作が行われます。

 

そして、負荷や難易度を上げていけば、より体幹力は高まっていきます。

 

体幹力を高めるには様々な要素が絡みますので、腹筋をするだけではなく、

全身を使ったエクササイズを取り入れると、腹筋トレーニングの効果が生きてきますよ。

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