今回は、フィットネスクラブに対する思いを吐露した内容を含みます。
トガッた言葉がありますが、批判ではなく疑問です。
コロナ禍において、フィットネスクラブはかなり苦しい状況で、飲食業界の苦しさがクローズアップされますが、
同じようにフィットネス業界も苦しいです。
業界全体では、少しずつ以前の規模に戻りつつありますが、
総合フィットネスクラブでは、会員数もコロナ前に比べてせいぜい良くて6〜7割程度でしょう。
これでは、営業する程赤字が膨らみます。
(これまでのビジネスモデルが悪いと言えばそうですが)
緊急事態宣言によって、その発令地域の大型クラブは休業する事となり、売上は当然なくなります。
そこで働くパーソナルトレーナーは突然の休業とその延長で仕事を無くし補償などありません。
個人事業主である以上、それを選んだのは自分で全て自己責任ですから、自分で何とかするしかありませんが、
苦しい現状のフィットネス業界人は多いはずです。
ですが、やり方次第で、もっとお客様の健康のお役に立つ事を考えれば、
これまで以上に、多くの方の健康の助けになるはずだと思っています。
上手く出来ない理由
フィットネスクラブのスタジオレッスンやYouTubeでトレーニング動画を観ていれば、フロントランジをやってみたり、目にしたりする機会があると思います。
フロントランジは、
脚を前方に踏み出して腰を落としてから元の位置に戻る事を繰り返す、下半身エクササイズです。
トレーニングを検索すれば、すぐに見つかるエクササイズだし、トレーニング系のスタジオレッスンでは良く組み込まれるエクササイズです。
ちなみに木島のトレーニング指導でフロントランジを行う事はほとんどありません。
理由は、指導している対象者の目的に対して必要ないからですが、トレーニングを発展させた時に場合によって行う程度です。
ただ、スタジオレッスンで行うので、お客様から、
「上手く出来ないんだよね」
とのお話を聞く事が多いエクササイズです。
では何故上手く出来ないのか?
それは単純に難しいからです。
動作習得のステップを飛ばして行うので、上手くいかないだけなのですが、
上手くいかないだけなら良いけど、膝を壊してしまう可能性が高く、
トレーニング初心者・初級者が多く参加するスタジオレッスンで、一定の動作習得の基準なく、何故プログラムされているのか理解できませんが、(あるのかも知れませんが、実態とはかけ離れています)
各社のプログラム開発担当者に聞いた事はないので、良く分かりません。
総合フィットネスクラブに関わってから2年弱になりますが、
膝が痛いとおっしゃる方に相当数出会いました。
その方達に共通するのは、大腿四頭筋とヒラメ筋がパンパンで、
それに対して、ハムストリングスやお尻の筋肉の発達が低い事です。
明らかに膝を酷使しています。
現状を理解していないのでしょうか?
楽しいだけでは、健康は保てないはずで、少なくとも運動器に関しては正しく動かさないと壊れます。
フィットネスクラブ批判と受け取られるかも知れないのでここまでにしますが、現場のスタッフは一生懸命お客様の為に頑張っています。
会社である以上、統制を取らなくてはいけないし、大勢の人達への一般最適化したサービスを提供しなくてはいけないので、パーソナルとは違うのですが、
(だからこそパーソナルトレーニングサービスを用意しているけど、上手く機能していないと感じる。個々のパーソナルトレーナー任せではパーソナルトレーナー個人は自分と顧客の事だけ考えれば良いけど、お店としてのサービス連動がなく、お客様へのフィットネスライフへの介入が不十分となり、せっかく多様なサービスを用意しているのに、お客様一人一人に対して必要な情報提供が出来ず、健康増進の機会を与えられず、逆に失ってしまう。これが残念でならないし、パーソナルトレーニングジムではないフィットネスクラブが、パーソナルトレーニングサービスを提供する意味があるのだろうか?多様性がある場合チームで動かなくては価値の創造と提供は限定的になってしまい、誰も得をしないように思います。)
健康の為に通い続けていているのに、痛みを訴えるお客様に出会うと、何とも言えないモヤモヤした気持ちになってしまいます。
スプリットスクワットから始める
とは言え、楽しく運動する事も大事な事で、心の健康に有効でしょう。
楽しく、安全にトレーニングが出来ると最高ですから、
上手く行う為のステップの紹介です。
(木島の指導の場合)
まずはスプリットスクワットの習得です。
脚を前後に開いたスクワットですが、
前脚のお尻を鍛える為に、股関節を曲げるヒップヒンジからの動き出しを習得します。
これをひたすら繰り返して身につけます。
これが出来ないと次にいけません。
これが出来たら、
次はリバースランジです。
後ろに小さくステップするランジです。
これも荷重は前脚ですから、ステップしても後脚に荷重せずに、前脚に荷重出来るコーディネーションを身につけます。
お尻でブレーキをかける
どちらも行っている事は、お尻でブレーキをかける事です。
股関節の屈曲の習得の事です。
股関節を機能させていないので、膝が使われ過ぎて痛めてしまいますから、
股関節をメインで参加させて下肢を動かせば、お尻が鍛えられて、膝を痛める事はありません。
踏み込んで足が床に接地したらその瞬間に股関節が曲がりお尻のストレッチをかけます。
前方に身体が移動した分のエネルギーをお尻で受け止めて、荷重が踵に収まれば成功です。
こうすれば、膝がブレる事なく負担なくフロントランジが出来ます。
爪先に荷重してしまったら失敗です。
股関節の屈曲動作が遅く上手く出来ていません。
フロントランジは上下・前後の重心移動をするので、難易度の高い種目です。
更にバーベルを担いだら、相当に難しいし強度が高いです。
高いバランス力も求められるので、怖さで身体が硬直してダイナミックに動けず、
小さい動きで何とかしようとして、末端の膝が酷使されます。
その恐怖心の克服には、正しい股関節の動きを習得する事しかありません。
フロントランジは焦らず、股関節を動かす練習を繰り返すと、上手く出来るようになりますよ。