複雑だけどシンプルに
各種スポーツ、クラシックバレエ、ダンス、身体の動きを卓越した技術で表現出来る、一流の方達のパフォーマンスは、美しさを感じます。
でも初心者の動きは美しいとは言えないものです。
この違いは、身体構造に則った自然な動きの操作性と思います。
人間、速くダイナミックに巧緻に動けている方が、美しさを感じるようです。
脳はタスク思考で、課題遂行の為に何通りものプロセスを見つけて、何としてでも課題クリアをしようとします。
そして、その時々の状況に合わせて、1番楽に動かせるプロセスを選びます。
熟練者は、何万回も反復練習をしる事で、どんな状況であっても、身体の構造、力学的に有利な身体の使い方を無意識に選択して、美しい動きを表現します。
トレーニングも動作ですから、そこには美しく感じる動かし方があります。
これは、他と同様に、沢山の反復練習によって正しいフォームを身体に染み込ませていく必要があります。
関節はグラグラと動きますから、約260個ある関節の制御は複雑です。
反復練習によって、その複雑な動きの制御の結果、シンプルな単純動作に見えた時に、
その動作が美しく感じてきます。
無駄のない円滑な動作
複雑な動きを制御する事は、全身の関節に関わるそれぞれの筋肉が、
力を入れるタイミングと力の大きさ、力の強弱、他の筋肉との連動が適切である事を表すはずです。
美しく感じさせる為には、速く、ダイナミックな事を必要とするので、
無駄な動きなく最短距離で、力を生み出す関節動作はより大きくある事が求められます。
そこには、難しい動作を簡単そうに見せる、スムーズな動作があるはずです。
ぎこちなさは、何か嫌な感じの違和感を感じるものです。
美しくあるには、無駄なく円滑な動作が結果として起こるはずです。
中身は毎回違うもの
トレーニングは反復動作なので、とてもシンプルな動作です。
ですが、約260個の関節の制御を何回も同じように見せるのは、それなりに高い技術が求められます。
トレーニングをすれば疲労が起こるので、その疲労はフォームを崩す原因となりますから、
疲労と闘いながらフォームを崩す事なくトレーニングをやり遂げるのは、強い集中力と忍耐力が必要です。
また、身体のコンディションは毎日違いますし、
立っていれば、重心位置はグルグルと常に動いています。
常に状況が違う中で、毎回同じフォームを繰り返してトレーニングを行う事は、熟練度が求められます。
このような、実は中身は複雑で、それを単純なシンプルな動作として、
正確にダイナミックに軸がブレないように、身体を操作する、
キレイなトレーニングフォームはアートと言えるのではないでしょうか。
トレーニングはただ筋肉を鍛えるためのものではなく、
その動作の美しさを意識して、身につける事を目標の一つにして行うと、
美しい動作だけでなく、
結果として、美しい身体も手に入るはずですよ。