もう間違わない!デッドリフトの方法
神奈川県藤沢市にあります
フィットネスクラブ
「ティップネス藤沢店」
にてパーソナルトレーニング指導をしております、
“痛みなく動ける身体”を作る
パーソナルトレーナー木島です。
皆さんは、デッドリフトというエクササイズをした事がありますか?
パーソナルトレーニングを受けた事がある方は、経験された事があるのではないかと思います。
身体の背面を鍛えるには、とても効率が良く、
姿勢改善や背中や脚の引き締めにも効果的です。
しかし、腰を痛める事の多いエクササイズでもあり、
私がフィットネスクラブで見る限り、正しく出来ている方が少ないのが現状です。
今回は、このデッドリフトについて、プロのパーソナルトレーナーの指導のポイントをお話ししますね。
目次
(1)骨盤の回転を意識する
股関節周りの筋肉達
ルーマニアンデッドリフト
踵荷重を感じる
(2)足の上に骨盤を乗せる
胸から起こさない
骨盤から動かす
骨盤後傾
(3)シングルルーマニアンデッドリフトでキレイな姿勢を作る
シングルルーマニアンデッドリフトとは?
ヒップヒンジ
自分の範囲のギリギリを攻める
(4)まとめ
(1)骨盤の回転を意識する
股関節周りの筋肉達
トレーニングで下半身の種目と言えば、
○スクワット
○デッドリフト
が王道の種目として挙げられます。
トレーニングをすると1度はやってみた事があるのではないでしょうか?
そのスクワット、デッドリフトで共通する動きにヒップヒンジという股関節の曲げ伸ばしがあります。
上記種目で主にターゲットとなるのが股関節周りの筋肉達。
お尻、内腿、裏腿です。
このヒップヒンジが上手に出来ないと、股関節周りの筋肉が上手く鍛えられないし、
トレーニング効果がすぐに頭打ちになったり、ケガのリスクも高まりますので、
トレーニングを始めたら早めに習得するべき動きです。
ヒップヒンジを覚えさせる為に指導する時は、
スクワットよりデッドリフトの方が膝の動きが小さく、
股関節の動きが分かりやすいので、デッドリフトを使う事が多くなります。
(ある理由から、スクワットやランジから入る事も多いのですが、、、)
ルーマニアンデッドリフト
デッドリフトの中でも、まずはルーマニアンデッドリフトという種目を教えます。
この種目は、膝の動きがないのでヒップヒンジを覚えるには最適と考えています。
動きがないと言っても膝は動いてしまうので、その制御方法を学ぶ事も出来ます。
ルーマニアンデッドリフトは、
腰幅に足を開いて膝を15度程度曲げて、お辞儀動作をする運動です。
では、この種目を上手に行うコツはなにかというと、
骨盤の回転を意識する事です。
この種目は、股関節を軸にした蝶つがいの動きです。
脚は動かさず、その上の骨盤から頭までが1枚の板のようにして上体を倒して起こすので、
股関節という軸に接している骨盤の動きがそのまま上半身全ての動きを左右します。
その骨盤はどのように動かすかというと、
1.まずは、お辞儀した時にバランスを取る為、少し後に引きます。少しだけです。
2.そしたら坐骨を天井に向けるように前方回転させます。
3.腿裏が伸びるのを感じたら、恥骨を正面に向けるようにして後方回転させます。
4.後は、この繰り返しです。
この種目でやりたくないのは、腰を丸めてお辞儀をしたり、腰を反って上体を起こす事。
腰に負担をかけない事です。
そうしない為の方法として、骨盤の回転を意識して動作を行う事は、経験上非常に有効です。
踵荷重を感じる
そして、トレーニング効果を得る為に必要なのが、踵荷重!
ヒップヒンジで鍛えたいのは、股関節周りの筋肉や背面の筋肉達。
それらの筋肉を反応させるには踵で床に力を伝える事なので、
動作中常に踵荷重を感じる事を意識すると上手くいきます。
その為には、脛は床と垂直にしておくと踵全体に体重が乗るので、脛の角度を意識しておく事も重要です。
動きが上手くいくと、上体を起こす瞬間に踵で床を強く押す感覚が得られますので、それをチェックしてください。
ヒップヒンジを習得する為にルーマニアンデッドリフトをする時は、
○骨盤の回転
○脛の角度
○踵荷重
この3点を意識すると上手くいきますよ。
(2)足の上に骨盤を乗せる
胸から起こさない
デッドリフトで腰を痛める事があります。
この場合、デッドリフトというよりバックエクステンションをするように、身体を起こしているケースがほとんどでしょう。
どういう事かと言うと、
胸から動き出して腰を反りながら身体を起こす動作です。
デッドリフトは股関節後面の筋肉を使って身体を起こす動作ですので、
上記のような動かし方をしてしまうと、デッドリフトで狙ったトレーニング効果は得られず、
股関節を使おうと思っているのに腰を使っているのに気づかなければ、
頭で思っている事と、実際の動作に矛盾が生じるので、この修正を行わない限り、
股関節を鍛えているつもりが腰を酷使している状況から脱する事が出来ず、腰を痛めます。
骨盤から動かす
デッドリフトで股関節を使うには、骨盤傾斜の認識と骨盤を動かす意識が必要です。
股関節伸展の力を使って身体を起こすのですが、その股関節伸展の動きは大腿骨(太腿)を動かすだけではなく、
大腿骨の上で骨盤が前傾後傾の動きをする事でも行われます。
デッドリフトやスクワットのように、足が床に固定されている場合は、
股関節を動かすには骨盤傾斜のコントロールによって成り立ちます。
その為、骨盤の動きを意識しておかないとデッドリフトは上手く出来ません。
骨盤の回転運動を意識するのですが、合わせて骨盤の並進運動も加わります。
身体を前に倒すので、転倒しないようバランスを取る為に骨盤は前傾させながら後ろに移動させます。
この時、並進運動は初動作だけで良いです。
お尻を後ろに引く意識を持ちすぎるとウェイトを持つ手と肩の位置関係が崩れ、
背中の力が入らなくなる事で腹圧が弱まって骨盤が不安定になり、
上手く股関節を使う事が出来なくなります。
お尻を少し後ろに引いたら、坐骨を天井に向けるように骨盤を前傾させます。
この骨盤の回転運動を意識すると、ハムストリングスのストレッチをしっかりと感じられます。
骨盤後傾
骨盤を前傾させてお辞儀をしたら、今度は元の姿勢に戻します。
この時に意識する事は、
骨盤後傾。
骨盤から起こすように上体を直立させます。
骨盤後傾を確実に出来ると、骨盤は前方に移動してくれるので、自然と並進運動が起こります。
上体を起こしきった頃には、骨盤は足の真上に位置しているはずです。
この動きをすると、上半身の重みが踵にどんどん乗ってくるので、
身体はその力に負けないように踵で床を押すように頑張ります。
そうすると、股関節後面のハムストリングスやお尻の筋肉へのテンションを感じる事が出来ます。
骨盤後傾によって踵荷重を感じられれば、
デッドリフトで鍛えたい股関節後面の筋肉にしっかり効いてきます。
(3)シングルルーマニアンデッドリフトでキレイな姿勢を作る
シングルルーマニアンデッドリフトとは?
トレーニングでビッグ3と言えば、
○スクワット
○デッドリフト
○ベンチプレス
とされています。
その中で、デッドリフトは背面全体を鍛える種目として活用されますが、
木島はルーマニアンデッドリフトという、デッドリフトのバリエーションを使用する事が多いです。
ルーマニアンデッドリフトは、通常のデッドリフトに比べて膝の屈曲角度が小さく(10~20度)軽く膝を曲げる程度。
この角度を保ったままのお辞儀動作です。
このルーマニアンデッドリフトを片脚で行うのが、シングルルーマニアンデッドリフト。
木島の指導では実際は、難易度が高い為、片脚立ちのシングルではなく、
遊脚側の爪先を床につけたスプリットスタンスで、バランスを取りやすくして行う事がほとんどです。
このシングルの利点は、お尻の横、中臀筋を鍛える事ができる事。
また回旋方向の負荷が掛かるので水平面の強化が出来、他の前額面、矢状面にも負荷が入るので、
3面全てに負荷が掛かり姿勢を保ちながら股関節の力を発揮させるのに、とても効率的なエクササイズです。
なので、重心位置が高いまま姿勢を保てるので、歩行時の脚の運びがスムーズになったり、骨盤の立ったキレイな姿勢、ヒップアップにも効果的なので、
パーソナルトレーニング指導では、出番の多いエクササイズです。
もちろん私自身のトレーニングでも良く行います。
ヒップヒンジ
このルーマニアンデッドリフトを行うに当たって必須の動作があります。
それが、ヒップヒンジと呼ばれる股関節の曲げ伸ばしです。
大腿骨に対して、骨盤を前傾後傾させる動作になりますが、これが出来ないと効果がなくなります。
ヒップヒンジをするには、骨をイメージすると上手くいきます。
大腿骨と骨盤を大まかにイメージ出来れば良いです。
前述した内容の復習になりますが、
骨盤の前後傾がポイントなので、骨盤の前に位置する恥骨、後ろに位置する坐骨を頭に描いて、
お辞儀する時は、坐骨を天井に向けるようにすると、骨盤は前傾して腿裏の筋肉ががっちりストレッチされます。
姿勢を戻す時は、恥骨を正面に向けるようにして骨盤を後傾させます。
その時に骨盤は足首の上に位置するように意識すると、踵に強く荷重されて、股関節に体重が乗っている感覚が続き、
お尻と腿裏の筋肉に効いている感覚が得られます。
自分の範囲のギリギリを攻める
動かし方が分かったら、どのくらいの範囲で動かすかを考えます。
これは効果を出す上で、とても重要です。
範囲を決定するのは、ご自身の柔軟性です。
腿裏の筋肉の柔軟性によってお辞儀の角度が決まります。
坐骨を天井に向けながらお辞儀をすると、腰はフラットの姿勢でくの字になります。
この時に1番腿裏にストレッチを感じたところまでが、自分の範囲です。
一回一回、このストレッチを感覚に意識を集中して、範囲を超えないように気をつけます。
最大ストレッチの範囲を超えたら、フォームが崩れるので要注意です。
見た目の大きな動作ではなく、自分の腿裏の柔軟性に目を向けて行うと、正確なフォームでトレーニング出来ます。
○キレイな姿勢
○スムーズな歩行
○ヒップアップ
○腿裏の柔軟性向上
シングルルーマニアンデッドリフトを正しく行うと、これらの効果が得られますよ。
(4)まとめ
姿勢改善やシェイプアップ、柔軟性向上など、多岐に渡るトレーニング効果を得られるデッドリフトですが、
1.ヒップヒンジ
2.踵荷重
3.自分の可動域ギリギリで行う
上記3点をポイントに行えば、しっかりと股関節を使った、安全で効果的なデッドリフトが出来るはずです!
是非、お試しください!