関節運動の相殺を負荷として考える #89

身体を支えるトレーニング

 

筋収縮様式には、

○短縮性収縮

○伸長性収縮

○等尺性収縮

○等速性収縮

があります。

 

この中で、地上で生活や運動をする時に身体を支える筋肉の収縮の仕方として、

伸長性収縮と等尺性収縮が活用されます。

 

○伸長性収縮は、筋肉が伸ばされながら張力を発揮する事で、

○等尺性収縮は、筋肉が同じ長さを保ちながら張力を発揮する事です。

 

これらが上手く機能しないと、身体は不必要に動いてしまったり、姿勢の維持が困難ですぐに倒れてしまいます。

 

スクワットの例であれば、

しゃがんでいく時にお尻の筋肉が伸長性収縮によって、ストレッチがかかりながらもしゃがむスピードをコントロールするように機能しています。

腹筋や腰の筋肉は、体幹がぶれないで安定させる為に、等尺性収縮で骨盤-腰椎の動きを制限しています。

 

このように身体が重力や負荷に耐えて、身体を支える力をコントロールする能力を鍛えるトレーニングは、姿勢作りにおいて重要です。

 

 

行きたい方向にブレーキをかける

 

身体を安定させる体幹トレーニングにプランクが有名ですが、

このプランクは等尺性収縮を維持するように筋力を発揮させます。

 

うつ伏せで肘をついて身体を持ち上げますので、その状態でいれば重力を受けますので腰がどんどん床方向に落ちていきます。

 

この負荷に負けないように姿勢を維持するのですが、

この時の負荷は骨盤を前傾させるような方向に働きます。

 

これに抗うように腹筋を使って骨盤後傾方向の力を発揮させるから、体幹トレーニングになるわけです。

 

骨盤前傾の力に対して骨盤後傾の力を使って相殺して姿勢を維持させるのがプランクです。

 

このように身体が動きたい関節運動の反対の動きによって、負荷を相殺する事を考慮すると、

どこにどんな力を入れさせるのか分かり、トレーニング指導の幅が広がります。

 

 

代償動作を考慮する

 

更に負荷を入れる時は、何をしたらどのような代償動作が出るかを考えます。

 

例えばプランクのバリエーションでは、

プランク+レッグカールをすると、

股関節伸展位を保ちながら膝屈曲させると、大腿直筋に引っ張られて骨盤が前傾します。

 

これが負荷になりますので、この骨盤前傾しないように腹筋で骨盤後傾させて骨盤を動かさないように姿勢を維持させると、プランクだけの時よりも負荷が増してきます。

 

また、膝を曲げると大腿直筋に引っ張られて、股関節屈曲されて膝が床方向に落ちます。

 

そうさせないように、大臀筋で股関節伸展方向の力で股関節屈曲の力を相殺させると、お尻の負荷が増していきます。

 

これらのように、代償動作を考慮してみると負荷アップのヒントがありますので、

あえて代償動作が起こる動作をしてみると、トレーニングのバリエーションが増えていきますよ。

 

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