なぜバランスを崩すのか?
スプリットスクワット(ランジ)の指導を木島は良くしますが、この時の初めのハードルは足を前後に開くスプリットスタンスでバランスを取れるか?です。
大抵このスタンスをしてもらうと、グラグラする方が多いからですが、
足を前後に開くと横方向に不安定になるのと、股関節の前後方向の可動域が狭いと脚の筋肉が力を出しづらくなり、腰が反りお腹にも力が入らないので、姿勢を保てなくなります。
その為、後脚に体重を乗せようとしたり、後脚の爪先を外に向けて横方向に足を広げる事で、バランスを保とうとします。
後脚は踵を上げた爪先立ちにするのですが、足指を曲げる可動域が狭いと指が曲がらないので踵を上げられませんから、こちらも爪先を外に向けて指を曲げなくても良い姿勢にしようとします。
このように、股関節、足指の可動域に問題があると、スプリットスタンスでバランスを保つ事が難しくなります。
スクワットは下半身だけ意識してもダメ
このように柔軟性の問題があるとバランスを保つのに不利になるのですが、身体が硬いと出来ないわけではありません。
上記の関節の可動域が狭ければ、スタンスを狭くすれば解決出来ます。
また、お尻を鍛えるならスタンスは狭くした方が良いです。
ただし、この場合前脚の荷重が大きくなり片脚立ちに近い形になるので、片脚立ちのバランスの取り方が上手く出来ないといけません。
この片脚立ちを安定させるコツとして、上半身重心のコントロールがあります。
片脚立ちの時に接地足側に上半身重心を寄せないと倒れます。
上半身重心の下に足が床に付いていなければ、身体を支える事が出来ませんから当然です。
スプリットスタンスの場合も前脚側に上半身重心を寄せないと、身体の下には足がないので倒れます。
体重を受け止める足の上に上半身重心を位置させないと、バランスは一瞬で崩れてしまいます。
体重が足に乗らないと、作用反作用の法則から力は出せません。
逆に足に体重を乗せれば身体は勝手に力を発揮します。
なので、スクワットをする時に脚の事だけを意識しても上手くいかないので、上半身のポジションを考慮する必要があります。
下半身と上半身のバランス
このようにスプリットスクワットでトレーニング効果を得るには、上半身重心のポジションと下半身の関係が大切です。
セットした時にバランスが良いだけではなく、動作中常にバランスが取れていないといけません。
その為に、スプリットスクワットでは上半身重心は前足の上に位置する事を意識して、踵に体重を乗せ続ける事を意識して感じる事が重要です。
また上半身重心を安定させるには、腰が動いたり肩が横に落ちたりしないように、動かさないようにしないと重心コントロールが困難になります。
スクワットでの上半身はウェイトです。
ウェイトがグラグラ動くとバランスが取れません。
なので、上半身を安定させるには体幹力が必要であらかじめトレーニングしておく事も大切です。
スクワットでトレーニング効果を確実に得たいなら、上半身重心のコントロールを意識してみると上手くいきますよ。