デッドリフトは股関節で身体を起こす #47

ヒップヒンジを理解する

 

腰を反って身体を起こしてしまう事が多発する種目として、前回のスクワットと並び多いのはデッドリフトでしょう。

 

デッドリフトはスクワットよりも体幹を倒す角度が深くなるので、腰から起こしやすい動きになりやすく正しく行うには難しい種目でもあります。

 

体幹が倒れる角度が大きいという事は、股関節の屈曲角度が大きいという事になるので、股関節の屈曲伸展の動き、

ヒップヒンジが上手くできるかどうかが、腰を痛めずに股関節周りの筋肉を鍛える重要なポイントとなります。

 

このヒップヒンジは、蝶番の動き、股関節の屈曲伸展を意味していますが、この動きを上手に行うには、股関節の構造を知る事が近道です。

 

股関節は骨盤と大腿骨がジョイントされて成り立っています。

何を示しているかというと、骨盤が固定されれば大腿骨が動き、大腿骨が固定されれば骨盤が動く仕組みです。

 

デッドリフトの場合、足部が地面に接しているので大腿骨が固定されます。

(実際は大腿骨も動いていますが、上体を倒して起こす動きなので、大腿骨に対して骨盤が動く運動ですから上記の表現を使用)

 

なので、その大腿骨に対して骨盤の回転運動、すなわち、骨盤を起こしていく動きがヒップヒンジとなります。

 

 

頭から骨盤は一枚の板

 

ですが、ここで問題が起こります。

骨盤を起こしていくのですが、骨盤の上には脊柱〜頭が乗っかっています。

 

この背骨達がグラグラで丸まったり反ったりすると、モーメントアームの距離が変わり股関節への負荷が安定せず股関節周りの筋肉を鍛えられないし、腰のケガにも繋がります。

 

その為、頭〜脊柱は動かないように固定して、頭から骨盤までは一枚の板のようにさせる事が必要になります。

 

それに伴い、大腿骨と骨盤の関係から、大腿骨と骨盤〜頭の関係へ、ヒップヒンジのイメージを持つ事が大事になります。

 

この頭から骨盤までを固定するには、腹圧が重要になるので、ここでもアゴを引いておく事がとても大切です。

 

 

踵荷重の徹底

 

頭からコツを一枚の板にしたら、身体を起こす時の重要ポイントが踵荷重です。

 

動作中常に踵全体に体重を乗せておきます。

 

荷重点が足裏の前後で動いていると、上半身の振りで身体を起こしてしまうので、股関節伸筋への刺激が弱まり、デッドリフトで鍛えたい筋肉の強化が出来なくなります。

 

踵荷重を達成するには、骨盤から上体を起こす意識を持つと大腿骨の動きが最小になって、重心の前後の動きが抑制されます。

 

前後の動きが小さければ、安定して踵に荷重させるので踵荷重を感じられるようになります。

 

そうすると、お尻や腿裏の筋肉のテンションを感じられるはずなので、トレーニング効果を実感しやすくなると思います。

 

デッドリフトは、頭から骨盤まで一枚の板にして踵荷重を徹底すると、腰を痛めずに股関節がしっかり鍛えられますよ。

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