時間は限られている
ここ数年で身体機能を高めるトレーニングを推奨する動きが活発で、
ファンクショナルトレーニングを謳うジムやトレーナーが多くなってきています。
木島もそのうちの1人で、ファンクショナルトレーニングの概念に共感していますし、考え方、アプローチの仕方を取り入れた指導をしています。
その中で、コレクティブエクササイズと言う動かしやすくしたり、力を入りやすくするようなエクササイズを総称したものがあります。
呼吸エクササイズや筋膜リリースもこの分類に入るでしょう。
ただ木島はこれらをあまり使いません。
使うのですが、トレーニング指導のほとんどの時間をメインエクササイズに費やします。
ウォーミングアップとして心拍数や体温を高めたり、ストレッチとして1〜2種行ったあとは、メインエクササイズに入ります。
この進め方は当たり前と思いますが、コレクティブに時間をかけすぎているトレーニング風景をよく見かけます。
お客様はパーソナルトレーニングを受ける時間は限られていて、30〜60分程度が大半で、
その中で目的・目標に最短速度で向かわないと、パーソナルを受けている意味(価値)がありません。
コレクティブエクササイズは準備運動なので、これで身体の変化をさせる事は出来ません。
限られた時間でお客様を成功に導くのがパーソナルトレーナーの仕事ですから、
成果を出すには、お客様が耐えられる負荷量をどれだけ与えられるのかを考察しながら、安全に加えていく加減が重要です。
その為には、スクワットなどのメインエクササイズ指導の細やかさが求められます。
何の為のエクササイズなのかを問う
なぜトレーニングをするかと言うと、
今よりもっと
体力をつけたり、
健康になったり、
キレイにカッコ良くなりたい
といった、
身体の向上を求めて行うはずです。
身体の向上の為には、物理的なストレス、生理的なストレスのどちらも必要で、
それらのストレスに対する身体の適応を引き出す事で身体を変化させていきますので、そのストレスが大きいほど変化量は大きくなります。
なので、行うエクササイズは、出来るだけ負荷が大きく身体にストレスを与えるものを選んで実施すべきです。
それはコレクティブエクササイズではなく、多関節エクササイズのスクワットなどのメインエクササイズとなります。
削ぎ落とす
メインエクササイズが大事とは言ってもスクワットなどを指導していると、フォームが崩れてしまう事がほとんどです。
その修正をしていきますが、この時にコレクティブエクササイズも同時に行っています。
正確には、単体のコレクティブエクササイズをするのではなく、動作の中で動きを修正していると言う事です。
要は、スクワットがコレクティブエクササイズになる事があって、動きが修正されればメインに戻るといった感じで、
スクワットがコレクティブにもメインにもなっています。
なぜこのような進め方をするかというと、コレクティブを分けて行っても身体を変える為のメインエクササイズの動きが改善される事は少ないからです。
どうしてかというと、メインエクササイズの動作のコーディネーションが作られていない事が多く、
関節をどの方向にいつ動かすかが分からなければ、コレクティブエクササイズの意味をなさないので、
そのコーディネーションを優先して進めた方が正しい動作が身につく事が圧倒的に多いからです。
お客様を限られた時間の中で成果を出していくには、
身体にインパクトの大きいストレスを与える必要があって、でも時間がないので、そのストレスの種類が被ってしまったら非効率になってしまいますから、
絞り込んだ種目で評価、メイン、コレクティブの意味を持たせたエクササイズでプログラムを組み込んだ方が効果的です。
トレーニングプログラムはお客様の時間に合わせて、いらないものを削ぎ落とした、
全てのエクササイズが大きなインパクトを与えるものになるようにデザインすると、
より早く身体が変わっていくはずですよ。