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向上させたいのは何か?
トレーニングで同じように見える動作をしても、効くところが違ってしまう経験をお持ちの方は多数いると思います。
理由は、動かし方が違うからです。
同じように見えても関節の動きが違い、すなわち、関節を動かすための使っている筋肉が違うので、
効く筋肉が変わってしまうのです。
この関節の動きを決めるのは、
身体のどこを鍛えたいのか?
その目的がはっきりしていないと、どこの関節をどの方向に動かすのか動かしようがないので、
この目的を曖昧にしてトレーニングをすると効果を感じる事は難しいです。
特異性の原理
なので、やみくもに、
スクワットやベンチプレス、各種トレーニングマシンを行えば、
付けたいところに筋肉が付く、筋力が高まる事や、
ストレッチをすれば、硬い筋肉が柔らかくなる事は、
ありえません。
狙いをつけて行う必要があります。
何となくトレーニングをして筋肉が付くなら、誰でもボディビルダーやアスリートのような身体になってしまいます。
しかし、現実はそうではありません。
身体は、ある刺激に対して特定の反応しか示しません。
お尻を鍛えたいならお尻へ。
内腿を鍛えたいなら内腿へ。
刺激を加える必要があります。
これを特異性の原理と言います。
筋肉の発達だけの影響ではなく、
長く動き続ける体力が欲しいなら、長く動けるトレーニング、
速く動きたいなら速く動くトレーニングをしなくてはいけません。
筋肉の前に関節
この特異性の原理に従うと、
例えば、内腿を引き締めたいとしたら、
内腿には内転筋群がありますので、それらの筋肉を使う事が必要です。
スクワットで内転筋を鍛えようとした場合、
内転筋を使うとどんな動きが起こるかを考えます。
その名の通りですが、内転筋は股関節を内転(脚を内側に動かす)させるので、縦ではなく横方向の動きをする事が求められます。
その場合、スクワットのスタンスは、爪先を外に向けたワイドスタンスになります。
バレリーナをイメージすると分かりやすいと思います。
そして爪先方向に膝を向けて、内腿が正面を向くようにスクワットをすると、脚がハサミのような内側に閉じる動きとなって、
内転筋を使う事ができます。
内転筋を鍛えたいのに、爪先と膝が正面を向いてスクワットをするならば、大腿四頭筋やハムストリングスが鍛えられて、
目的は達成されません。
このように、見た目は同じように見えるスクワットでも、
ちょっとした関節の動かし方の違いで、使われる筋肉が変わり、
別のトレーニングになります。
トレーニングで狙い通りの効果を出したいなら、
目的と関節と筋肉の関係を考えて行う事が重要ですよ。