姿勢が悪くても痛みのない人はいる
腰痛や肩こりの痛みの原因に、姿勢の悪さを挙げ、それを聞いた事や見た事(本など)があると思います。
しかし、姿勢と痛みの因果関係は明らかにされていないようです。
確かに姿勢の影響で痛みが出るなら、ほぼ全ての人が何かしらの痛みを常に抱えている事になります。
また経験上、姿勢が悪い人でも痛みは無いとおっしゃる方もおります。
ですから、不良姿勢=痛みの構図は成り立たず、姿勢が悪いから痛みが出ていると言うのは怪しく、違う原因がありそうです。
姿勢は動きの蓄積
ただし、姿勢と痛みの関係は全く関連性がないと私(木島)は考えていません。
慢性痛が起こるメカニズムに、血行不良があります。
痛みを感じさせる発痛物質のブラジキニンやプロスタグランジンなどが、痛みを感じる部位に滞留して、
痛みを感知する受容器を常に刺激し続けると、痛みがずっと続きます。
ですから、反り腰のような不良姿勢だと、腰の筋肉が緊張しっぱなしなので硬くなり、そこの血行不良を誘発します。
結果として、痛みを感じる可能性が生まれるのではないかと考えています。
(ですが、筋肉がパンパンに張っていても痛みを感じない人はいます。)
だから、姿勢改善を目指すかと言うとそうではなく、
動作改善を行います。
理由は、日常の動き方の癖が姿勢に反映するからです。
止まっている時の姿勢が良かったとしても動きが悪ければ、身体の何処かに余計な負荷がかかり、筋肉を硬くして結局姿勢を崩します。
色々な姿勢をとれる事が重要
大事なのは、止まっている時の姿勢改善を考えるのではなく、
動きに多様性があって、状況に合わせて姿勢を変化させられる事が出来る身体にする事です。
なぜなら、痛みがなぜ起こるかと言うと、血行不良が影響するから。
それが起こるのは、
「動かない」か「動かし過ぎる」
のどちらかです。
生活の中で同じ姿勢をとり続ける方は、身体を動かす時間を作る事が必要だろうし、
身体の一部が硬ければ、それを補うように他の柔らかい部位が動き過ぎてしまうので、硬い筋肉を柔らかくする必要があります。
ですから、トレーニングやストレッチの時間を作って、
日常では動かさない大きな範囲で動いたり、やった事のない動きをしたり、
日常とのバランスを取る動きを意識すると、身体が柔らかく、動きのパターンが多様化して、
動かなかったり、動かし過ぎたりする事がなくなります。
もし痛みでお悩みなら、身体を多様に動かす事を意識すると、改善の方向に向かう可能性が見えてくると思いますよ。