仰向けとうつ伏せではトレーニングの狙いが変わる#3

重力を考慮する

胸のトレーニングの代表格に

○ベンチプレス

○腕立て伏せ

がありますが、

 

その違いを挙げると、

○バーベルor自体重

○手の固定or身体の固定

○仰向けorうつ伏せ

など、

 

同じ胸のトレーニングでも違いが沢山あり、

ベンチプレスと腕立て伏せは別物として捉えてトレーニングを行うべきと考えています。

 

メインで鍛える部位は胸で、大胸筋が主動筋(主役の筋肉)である事に違いはありませんが、負荷の支え方に大きな違い特徴があります。

 

その影響を与えているのが重力。

 

重力があるから重さを感じるわけですが、重力によって力のかかる方向は常に鉛直方向です。

 

四六時中、真下に力がかかっています。

 

身体を支える事は、この重力に対して抵抗する事ですので、身体のポジションによって支え方が変わります。

 

 

背中で支える

胸のトレーニングは、大胸筋がメインで鍛える筋肉となるわけですが、大胸筋は肋骨から上腕骨についているので、肩関節を動かす筋肉です。

 

肩関節は肩甲骨と鎖骨がジョイントして構成されていますので、肩甲骨の位置をいかに動かさないようにして上腕骨を動かし、肩関節の可動範囲を大きくして、大胸筋の活動を増やすかがポイントとなります。

 

○ベンチプレスは仰向け、

○腕立て伏せはうつ伏せ、

 

のポジションで行うトレーニングですが、

重力が常に下向きにかかるので、それに抵抗しようとなると、上方向に力を発揮させていきますから、その時に上腕骨を身体の前に動かして負荷を移動させます。

 

ムダなく負荷の移動を行うには、肩甲骨を極力動かさない事が重要になります。

背中で支えるという事。

 

 

 

肩甲骨の位置の違い

 

この背中の支え方に、ベンチプレスと腕立て伏せの違いがありますが、

 

ベンチプレスは、

仰向けですから重力に抵抗するには、背中(胸椎)を反って肩甲骨が身体の中心に寄り、

 

腕立て伏せは、

うつ伏せですから重力に抵抗する為に、背中(胸椎)を丸くして肩甲骨が身体の中心から離れます。

(丸くなるというより背中が平ら)

 

上記の肩甲骨の位置の違いがありますから、その位置を保つためにセット中常に、ベンチプレスは内側、腕立て伏せは外側に肩甲骨を動かす力を出し続けないといけません。

 

この違いによって、

ベンチプレスは、背中の内側の筋肉で身体を支え、

腕立て伏せは、背中の外側で身体を支えるという筋肉の使い方の違いが生まれます。

 

 

この為、

背中を反る可動性向上や肩周りの安定性も鍛えたいならベンチプレス。

 

肩甲骨のポジションを安定させて肩の位置を整えたり、腹筋を鍛えて姿勢改善を狙いたいなら腕立て伏せ。

 

このように胸を鍛える以外のトレーニングのサブテーマ別で使い分けをすると、同じ胸のトレーニングでも別物となり、トレーニングのバリエーションが増えます。

 

言うまでもなく、効果を得るためには、どちらも正しいフォームで行う事は必須です。

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