腕が挙がりづらい時は肩甲骨の上方回旋可動域を拡げる #48

広背筋だけでは上手くいかず

 

お客様の中には、

○肩コリがひどい、

○肩が痛い、

○腕が挙がりづらい

などの肩のトラブルを抱えている方が多くいらっしゃいます。

 

先日もストレッチを施していると、腕を挙げてみると耳につく前に止まってしまうお客様がいらっしゃいました。

 

慢性的な肩コリはあるけど痛みはなく、常に首肩が重だるい感じはあるとの事。

首、背中の筋肉は硬くなっています。

 

横臥位で他動で腕を挙げた時に、

腕が前方にいけば胸が硬く、

耳につかず途中で止まれば広背筋が硬く、

前方で顔につかなければ、胸と広背筋の両方が硬い傾向にあります。

今回は、広背筋が硬い傾向でしたので、広背筋のストレッチを行いました。

 

が、

 

動きのスムーズさは改善されましたが、可動域はそれ程良くならない、、、

 

こういうケースは、結構あるので別の箇所のアプローチをしました。

 

 

小胸筋のリリース

 

腕を挙げるには、肩甲骨の後傾が必要です。

肩甲骨が前傾して肩が前方に突出していれば、上腕骨が肩甲骨につっかえて腕が挙がりません。

 

この改善の為に、肩甲骨を後傾させるのですが、この後傾を邪魔するのが小胸筋です。

 

大胸筋の下に隠れている筋肉で、大胸筋は鎖骨と肋骨から上腕骨に付着しますが、この小胸筋は肋骨に付いているのは同じですが肩甲骨に向かいます。

この小胸筋が硬くなると、肩甲骨を前方に引っ張って前傾させてしまうので、この筋肉のストレッチやリリースを行うと肩が動きやすくなります。

 

今回も小胸筋のリリースで改善を図りました!

 

結果は、そこそこ、、、

 

良くはなったけど、思ったような効果はなし。

 

そこで、筋肉を緩める発想から関節運動の改善へ方向転換しました。

 

 

骨を誘導する

 

腕を挙げるには肩甲骨の後傾ともう一つ、肩甲骨の上方回旋が必要です!

 

この2つの動きを誘導して動きの改善を狙ってみました。

 

結果は、

狙った通りの改善度!

 

腕はスムーズに耳の後ろまでクルンといきました。

 

どのように行ったかと言うと、

肩甲骨の上方回旋するには、肩甲骨を前方に引き出す必要があります。

これに反対する筋肉が肩甲骨の内側にある菱形筋ですから、この筋肉をストレッチして解しておきます。

 

下制の動きもいるので、肩甲挙筋も解しておきます。

 

それから、肩甲骨を直接押しながら上腕骨を同時に上後方へ誘導するのですが、ただ腕を押すと痛いだけなので、肩甲骨の関節窩の向きを確認しながら上腕骨頭の滑りを合わせて動かしていきます。

 

結果的には、小胸筋のストレッチになります。

 

このように、骨の誘導を関節外、関節内の動きを考慮しながらしていくと、関節可動域の拡大がかなり高い確率で成されます。

 

お客様も腕がスムーズに大きく動いて、肩も軽くなったようで、笑顔で喜んでいらっしゃいました!

 

関節可動域を拡げる時は、筋肉を緩める事だけでなく、関節構造を考慮した動きの誘導を行うと効果的ですよ。

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