まずは肩甲骨の位置を決める
ラットプルダウン、ローイングのような背中のトレーニングの主動筋は広背筋となりますが、この広背筋は肩関節を伸展・内転・内旋に動かす筋肉です。
ここで大事なのは肩関節を動かすと言うところ。
健康胸郭関節でも肘関節でもないんです。
肩関節をしっかりとメインで動かさないといけません。
肩関節は肩甲骨が受け皿になって上腕骨が接続していて、肩甲骨の関節窩の上を上腕骨頭が回転するように動いています。
ですから、腕を動かす場合は肩甲骨に対して上腕骨が動く構造となります。
また、広背筋は骨盤から上腕骨についているので、この筋肉を使うならこの2つの骨を近づけます。
という事は、肩関節、イコール肩甲骨は頭方向の上ではなく骨盤方向の下に位置していた方が、骨盤と上腕骨が近づきます。
その為、肩甲骨は下制させて下に位置させた方が広背筋が働いてくれます。
肩甲骨のラインに腕を乗せる
広背筋の機能は肩関節の伸展、内転、内旋ですので、
ラットプルダウンであれば、
伸展、内転させていきます。
腕が体側に近づいていく動きです。
ラットプルダウンはバンザイ姿勢からスタートするので、腕と肩甲骨は開いた状態になります。
そこからバーを引き下げるにつれて閉じていくのですが、
この時に肩甲骨は下がった位置にいなくては広背筋が縮まらないので、引き下がり切るまで肩甲骨は上に動いてはダメです。
肩甲骨を下げる意識を持ち続けてバーを下げると自然と腕が体側に近づきます。
肩甲骨の面の延長線上に腕があるように動くのですが、
肩甲骨を寄せようとすると肘が後ろを向いて、肩甲骨の面に対してクロスするように腕が動きますから肩が前突した姿勢になって、首の筋肉が緊張したり肩を痛めてしまいます。
こうならないように、腕の軌道は肩甲骨の面に合わさっていると肩・首に負担なくラットプルダウンができます。
肘は仕方なく動くもの
バーを握っているので、引き下げると肘は曲がります。
曲がって良いのですが、肘を曲げようと意識してはいけません。
腕のトレーニングになってしまいます。
ラットプルダウンはひじを曲げて、上腕骨二頭筋を使って引いてしまうエラーが起こりやすいので注意が必要です。
肘は肩が内転・伸展している動きにつられて、バーを握っているから逃げ場がないので仕方なく曲がっている状態が望ましいです。
背中のトレーニングですから、腕の筋肉ではなく、背中の筋肉を働かす為に肩関節の動きを優先して集中して動かす意識を持つと、
ガッチリと背中に効きます。
広背筋だけでなく、肩甲骨を下制の位置で止めておく為に肩甲骨周囲の筋肉もしっかり鍛えられます。
特に普段使われづらい僧帽筋下部が働くので、姿勢矯正に効果的です。
背中のトレーニングをするなら、肩甲骨を下げた位置にして行ってみる事をおススメしますよ。