動かす前にどこで支えるのかが重要 #55

軸を変えてはいけない

 

トレーニングをする時にはまず種目毎のフォームを習得する事からスタートします。

 

また、フォームを習得したとしても、疲労が溜まったり、負荷が大きいとフォームが崩れてくるので、毎回フォームを意識してトレーニングをしないと、安全と効果が損なわれてしまいます。

 

そのフォームを安定して行うにはコツがありますが、

 

それは、

動かさない関節を決める事です。

 

どういう事かと言うと、

関節は骨と骨を近づけたり離したりして動きます。

両方の骨が動いてしまうと身体の動きが安定しないので、反復動作で特定の筋肉に負荷を与える筋トレとしては避けたい事です。

こうならない為に、一方の骨を固定しておく必要が生まれます。

 

例えば、

ベンチプレスだと、

大胸筋を働かせて肩関節を動かすのですが、動きがあるのは腕(上腕骨)です。

なので、肩甲骨は動かしません。

 

肩甲骨と上腕骨頭のラインを軸として、この軸が動かないようにしないと、肩の位置が前後に動いてしまいますから、肩関節の水平屈曲角度が小さくなり動きの量(距離)が減るので、トレーニング効果が下がる事が考えられます。

 

その為、肩甲骨は内転下制位で固定する事が求められます。

 

 

バランスが良くなる

 

この肩甲骨の内転下制位を作るには、胸椎は伸展位にしなくてはなりません。

 

なので、肩甲骨を動かさない為には、胸椎伸展位を維持する事が必要で、

ベンチプレスをするには、

腕を動かす前に、胸椎伸展位を作って動かさないようにしてから、負荷に負けないように胸椎でこの姿勢を支えないとフォームが崩れてしまいます。

 

ですから、ベンチプレスはバーベルを持ち上げる前に胸を張って胸椎伸展させてから腕を動かすと、脊柱のアーチが保たれフォームを崩すことなく出来ます。

 

また、この胸椎伸展を保つ事を意識すると、身体の中心の背骨が伸展方向に固定されるので、回旋運動が起こりづらくなる為、左右のバランスが崩れる事なく運動が可能となります。

 

 

安定筋が鍛えられる

 

このように、トレーニングをする時にどこで支えるかを考えると、負荷に負けずに身体のブレがなくなります。

 

ブレないような身体の使い方になると言う事ですが、これは安定筋を鍛える事になります。

 

トレーニングは、主動筋に目が行きがちですが、

(ベンチプレスだと大胸筋)

主動筋を鍛える前に、どうやったら確実に主動筋に負荷を与えられるだろうと考えると、

主動筋が動かす関節の安定化が必要である事が分かりますから、

 

その次は、どうすれば関節が安定するかを問えば、どこの関節を動かさないようにすれば良いか答えが出ます。

 

その動かさない関節を「動かさないように動かす」のが安定筋です。

(動いてしまうものを動かさないようにするには、動かしかしたくない方向の逆方向に動かす必要がある)

 

身体のどこで支えるかを考慮してトレーニングをすると、

動かす事だけでなく安定性も鍛えられて、一石二鳥以上の効果が得られますよ。

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